健常者

ある男の子がいました とても健康な体
ある日ふと病気にかかった 今回はなんかやたらと薬の量が多いな

目の前に山積みにされてる 薬にはそれぞれ名前がある
ビタミンにカルシウム ありとあらゆるストレス
果ては優しさ悲しさ思い出とか
たくさんのものが僕には足りていない
こんなんじゃ1人で到底生きていけない
たまには苦かったり 飲みにくいものがあったり
するけど自分を取り戻すために

隠せない 隠せない この胸の痛みは何
隠せない 隠せない この胸の痛みは何

何日か何週間か何ヶ月か たった頃ようやく終わりが見えてきた
やっと最後の1つだもう僕は 1人っきりでも大丈夫だよ

さあ最後のその薬を 手に取り名前を見てみると
するとなんとそこには1人の女の子の名前が書いてあった
僕は気づいた 病気の名前が分かった
こんなに苦しいものだったなんて思いもしなかった
寝ても覚めても締め付けられる 甘くて苦いこのウイルス

でもこれでもう終わるんだね 君を忘れてしまうんだね
そしてこの手の中の温もりだけ 飲み込んで薬を戻した

隠せない 隠せない この胸の痛みは何
隠さない 隠さない この胸の痛みは君

いつか君がいなくなって当たり前を過ごした時
僕の涙もいなくなってしまうんだろな
甘くて苦い君との恋を
この手のなか涙のなかに

すると待ってましたとばかりに みるみるまた薬が増えてく
優しさに悲しさ弱さ愛しさ 君の名前はまた1番下
次は最後まで失えるかな